2017年11月、キクイシザース代表 菊井健一と工場長 辻内利勝が、アメリカの美容師シザー業界のカンファレンスにゲスト講師として参加し、日本のシザーづくりについてのプレゼンテーションと実演を行ってきました。
ニッポンのハサミ職人、海を渡る!【ラスベガスでプレゼン編】
このカンファレンスに参加する数日前、少し時間が空いたので、6年前に海を渡ったHitachiya USA の包丁研ぎ師・廣田さんを尋ねました。
ロサンゼルス在住の包丁研ぎ師に会いにHitachiya USAへ
廣田さんがいらっしゃるHitachiyaさんは、日系人の多いトーランスにあります。
ロサンゼルス空港近くのホテルを出発し、40分程度のドライブを楽しんで訪ねました。
ロサンゼルスは11月でも日中は半袖で過ごせるような気持ちのいい気候。
この日はまだ雲が多いほうでしたが、それでも爽快な天候に恵まれました。
Hitachiyaさんのお店に到着!
お店の中には、包丁だけでなく調理道具や食器など日本の物が並んでいました。
日本を発って数日、アメリカの食事や英語での商談が続いていたので、ホームに戻ったような居心地よい空間でした。
進出から6年、全米が認める日本の包丁研ぎ技術
さっそく廣田さんにアメリカに展開するまでの話を伺いました。
廣田さんがアメリカに渡ったのは6年前。
日系人が多いトーランスの土地柄もあり、最初は日系人のお客さんが中心だったそうです。
しかし、それから研ぎの技術や口コミが広がり、徐々に日系以外のお客さんも増加。
今では半数以上が現地の(日系以外の)お客さんで、Webショップでは全米から注文が来るということです。
お話を聞いて感じるのは、やはり技術の「見せ方」「伝え方」が大切ということ。
廣田さんの作務衣姿や日本らしい店作りからも、そのこだわりを感じました。
ハサミ職人と、包丁研ぎ職人。話は刃物談義へ…
包丁研ぎも店内でされるということで、作業場で研ぎの技術も見せていただけることになりました。
廣田さんが包丁研ぎをするのはお店の奥のスペース。
ガラス張りでお店から包丁の研ぎの現場を見ることもできます。
水を張る桶は竹箍で組まれた物を使っています。
見える場所、ということは、「魅せる場所」でもあるということ。
「プラスチックのタライみたいなものでやってたらガッカリするでしょ?」
こういったところも、日本の職人技の見せ方・伝え方へのこだわりが感じられます。
実際に研ぎの仕事を見せてもらうと、こちらもやはりハサミ職人。
話は砥石の選び方や研ぎのこだわり、バリの処理などなど・・・
ついつい刃物の話に熱が入り、いろいろと教えてもらいました!!
僕も工場長も自宅の包丁は自分で研ぐのですが、毎日お客さんの包丁を研ぐプロの話はとても勉強になりました。
研ぎ職人・廣田さんの包丁研ぎの「見せ方」が
アメリカでのシザー研ぎ実演でも参考に
廣田さんに会った数日後、ラスベガスのカンファレンスでシザー研ぎの実演を行いました。
事前にお話を聞けたことはとても参考になり、
「日本の優れた職人技は必ず伝わる!」
そういった自信を持って挑むことができました。
何事も、先行して挑戦している方の経験談を聞くことは大切ですね!
まだまだキクイシザースの米国挑戦は始まったばかりですが、これからも頑張っていきます!!
Hitachiyaさんの情報はこちら↓
※2017年11月28日に執筆した記事を再編集して公開しました